本気のマーケティングについて考えるシリーズ第2弾
前回の記事では顧客志向のマーケティングを考えました。
そこでは従来の4Pではなく5Cという考え方が大事だと述べました。
詳しくは記事を見てみてください。
今回は”経営視点のマーケティング”について考えたいと思います。
マーケティングというと、広告・プロモーションを頭に浮かべる人も多いと思います。
また、もう少し広く捉えると、4P(Product、Price、Place、Promotion)をマーケティングと考えられますね。
しかし、マーケティングとは実はもっともっと広く捉えることができる。
それが、ここでいう”経営視点のマーケティング”なのです。
経営視点とはどういうことか。
目先の売上や顧客ロイヤリティの向上を目的とした施策は代表的なマーケティング活動として考えられるでしょう。
しかし、それだけでは上手くいかないことが多いのです。
売上が低迷している、顧客のロイヤリティが低い、ブランド認知率が低い、などの問題の背景には、組織の非効率性や社員のロイヤリティに問題があることが多いのです。
そのため、経営視点のマーケティングでは、まず、企業の外ではなく内に問題がないか目を向けます。
これをインターナルマーケティングと呼びます。
ここでは、組織構造の問題と社員ロイヤリティの問題に注目します。
Contents
組織構造の問題
例えば、売上が思うように伸びないのであれば、そもそもの組織構造に問題があるかもしれません。
機能別組織制をとっているのであれば、官僚組織のような腐敗が考えられます。
機能別組織というのは、営業・マーケティング・経理などの機能別に部門が分かれた組織です。
あてられた予算を全て使い切らないと、来年度から与えられる予算が減るという不都合な事実から予算を無理に使い切ろうとするでしょう。
結局、機能別組織単位の部分最適を求めてしまうがゆえに会社全体の最適には陥っていない可能性が高いのです。
この問題を解決するために製品ごとの統括にする事業部制をとるという手段があります。
現在の日本では事業部制をとる会社は少なくありませんが、それでも事業部制のあり方にまだ少し問題があると思います。
事業部制の中でも段階が3つに分かれていると思います。
第1段階:
事業の枠組みが広く (テレビ部門・冷蔵庫部門) 、カネ・ヒトに関しては基本的に本部が管理しているタイプ。
こちらでは、事業部制とは言え、カネやヒトを事業部ごとに制約なく自由に使っていいというわけでありません。電機メーカーなどに多い。
第2段階:
事業の枠組みが狭くブランド統括になっているが、ヒトに関しては本部が管理している。
こちらでは、ブランド毎という非常に細かい枠組みで分かれていて、カネに関する権限も基本的にブランドごとに持ちます。
ただ、ヒトに関する権限は本部が持っている場合が多いです。外資消費財メーカーなど。
第3段階:
完全に会社として独立し、全ての権限が委譲される。いわゆるカンパニー制
こちらでは、完全に事業部が独立し一つの会社になるので会社ごとの部分最適を追うことに必死になりますし、それが全体最適にもなります。
代表的な会社にリクルートがありますね。
このような事業部制やカンパニー制を採用すると、新たなイノベーションが起こりにくいという問題がありますが、リクルートは上手く工夫して常にイノベーションを作り出していますね。
組織の非効率性が感じられるのであれば思い切って、事業部制を導入すると良いかもしれません。
しかし、組織改変となると大きな決断となり内部からの反発も少なからず生じると思うので、タイミングと伝え方が重要だと思います。
まずは、試験的に機能別組織は残したまま、横断型の事業部組織を作ってみてもよいかもしれません。
第3段階のカンパニー制はなかなか難しいと思うので第2段階を目指しましょう。
ただ、一概に事業部制やカンパニー制が100%良いとは言えないので自社の組織構造をしっかり吟味した上で決断するべきです。
社員のロイヤリティ
企業の課題として顧客のロイヤリティに関しては議論されることが多いと思います。
そんな顧客のロイヤリティを上げる方法は色々な切り口があると思いますが、絶対に必要なのは社員の会社に対するロイヤリティを上げることだと思います。
社員のロイヤリティがあまりにも低い状態で顧客のロイヤリティを高める施策を打っても何の意味もありません。
例えば、顧客のアフターサポートをするにしても社員のロイヤリティが低いと顧客にもその気持ちが伝わってしまい、結果的に顧客のロイヤリティも下がってしまいます。
そして顧客のロイヤリティが下がると、クレームなどが増え、社員のロイヤリティもさらに下がってしまうという負のループに陥ってしまうのです。
つまり、まずは内側から変えること、社員のロイヤリティを高めることに注力しなくてはなりません。
顧客のロイヤリティは高いのに社員のロイヤリティは低い会社なんてありません!
では具体的にどのようなことを行えば良いのでしょうか。
顧客からのアプローチ
経営層からのアプローチ
製品・ブランドからのアプローチ
が考えられます。
顧客からのアプローチ
先ほど、顧客からのクレームがくると社員のロイヤリティが下がると書きましたが、逆に言うと、顧客からの感謝の声があると社員のロイヤリティは必ず高まります。
そこで、顧客からの感謝の声を社員に発信するのです。
例えば、社内の見えるところに貼っておいたり、社内メールで毎朝送ったり、と常に顧客の感謝の気持ちを社員が感じられるようにするのです。
経営層からのアプローチ
普段あまり、経営層の人たちと接することのない社員からすると、経営層は憧れの存在です。
そんな人から直接自分に対してのアプローチがあったらどうでしょう。ロイヤリティは高まりますね。
ホンダ創業者の本田宗一郎さんやコカコーラの社長を務めた魚谷雅彦さんなど有名な経営者には、忙しい中、全国の営業拠点を訪問し社員一人一人に声をかける人がいます。
経営のトップがこのような時間を使うのはもったいないと思われるかもしれませんが、この影響力は計り知れません。
社員一人一人に歩み寄り、社員のロイヤリティを高めることで顧客のロイヤリティも高めることができるのです!
製品・ブランドからのアプローチ
製品やブランドのロゴなどを商品用だけでなく社内向けの様々なモノに使用することでロイヤリティを高めることが可能です。
簡単な例で言うと、ボールペンやパーカーなどにロゴが入ったものを社員全員に配る。これらは社員が常に使うものですし、自ずとロイヤリティが高まると思います。
世界を代表するマーケティングカンパニーのコカコーラでは、ある日社内PCのマウスを全てコカコーラをモチーフにしたモノに変更した結果、非常に好評だったそうです。
その会社を代表する商品に対する社員のロイヤリティを高めることで顧客のロイヤリティも確実に高めることが可能です。
まとめ
・本気のマーケティングには経営視点も含めたマーケティングが必要である。
・組織構造と社員ロイヤリティに注目したインターナルマーケティングを考える。
・組織構造は機能別組織制よりも事業部制
・社員ロイヤリティを高めるには3つの切り口がある
今回紹介した経営視点のマーケティングは、マーケティングの中のほんの一部でありますが、非常に重要なことだと思っています。
もっともっとマーケティングを貪欲に学んでいきます!
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