こんにちは!
「データの見えざる手」というアマゾンでめちゃくちゃ評価の高い本をさして期待もせず読んでみたのですが、ものすごい衝撃的な内容でした!!!
そんな衝撃的な内容を簡単にまとめていきたいと思います。
Contents
データの見えざる手
この本では基本的に人間の行動や幸せをデータから可視化するということを主テーマとしています。
ただ、小さなテーマとして時間の使い方→ハピネス→行動方程式→運→経済予測と話が変わります。
全てにおいて非常に興味深い内容だったのですが、これらの話の一番基盤となる第1章、時間の使い方が特に面白かったのでそこについてまとめたいと思います。
そしてそこで出てくるU分布という考え方について深く考察します。
時間は自由に使えるか
人間は、みんな自分の意志で自分の行動を変えることができると思っています。だからむちゃなスケジュールをたててそれが実行できなかったら、自分の意志が弱いだけだと考えます。
しかしそれは本当にそうでしょうか?
こう投げかけるのがこの本なのです。
著者は人間の行動を調べるために、ウェアラブルセンサを体に取り付け体の動きを何年単位で測りました。根気と技術のいる行動です!!
このセンサは腕の加速度を察知し、腕が1分間にどれくらい動いているかが分かります。すなわちその人がどのくらい活発に動いているかを測ることできるのです。
そうすると、不思議なことが分かりました。
なんと、全員の1日の行動分布は全く同じ形状の分布になったんです!
以下のようなグラフ。これを著書の中ではU分布と呼んでいます!
1分間に120回動くような時間は1分間に60回動くような時間の2分の1、さらに180回動くような時間は120回動くような時間の2分の1という具合です。
これってすごいことじゃないですか??
つまり、人の行動は全てこのU分布に従っており、自分の意志で決めていると思うのは間違いなのです。
ここでは腕の加速度というミクロな視点で考えていますが、人間の行動は全てU分布に従っているのです。
U分布の実験
それらをふまえて本書の中ではこのU分布に関する面白い実験をしています。
30×30のマス目の上に7万2000個の玉を以下のように完全にランダムに配置します。
(出典:データの見えざる手)
この玉をランダムにマス目同士でやり取りさせます。具体的には、ランダムにマス目を2つ選んでどちらかのマスからどちらかのマスに玉を移動させます。これを100万回繰り返すとどうなるでしょうか。直観的には上の図と変わらないような気がしますが・・・・
(出典:データの見えざる手)
実際にはこのようになるのです!!
びっくり!かなりまだらな模様になっていますね。
また、マス目ごとに入っている玉の数を数えると、先ほどのU分布になるのです。
ランダムなやり取りを繰り返しただけなのに、マス目に貧富の差が生まれました。これは世の中の貧富の差が自然と生まれる現象も説明します!
先ほどの腕の加速度の話もこれと関連しています。腕の動きはお互い無限にエネルギーのやり取りをしていて、そこからU分布に従うというような現象が起きるのです。
U分布の本質とは
でも直観ではいまいちピンとこないこの現象・・・なぜこのような現象が起きるのでしょうか。
この実験、玉をランダムに選ぶばらつきと片方から片方に玉を渡すというばらつきが存在します。
すなわち、単純に考えてばらつき2乗のオーダーになるということです。普通の正規分布からさらにばらつきが大きくなるとどのようになるでしょう。
裾の厚い正規分布になっていきます。そして一様分布のようになり、さらにそこを超えるとU分布のような分布に近づいていくのです。
これは、統計学的には正規分布に従うデータの2乗が従うカイ二乗分布に近似します。カイ二乗分布を描いてみるとこんな感じ。
これを先ほどのU分布と比べるとほぼ一致!
というわけで、人間の行動をデータから可視化する面白い話でした。
本の中では、さらにハピネスや運そして人間の行動を方程式で表そうとするところまで述べているので、興味のある人は読んでみてください!非常におすすめな本です!
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